2014/10/22

BCスキーのワクシング考(BCにおける滑走性)


前回に引き続き、素人の考えるBC(バックカントリー)でハズレとトラブルの無いワクシングネタ。


スキー用のワックス3種類のカテゴライズ(3レイヤー)のなか、シールとの併用時にはホットワックスにしろ、オーバーワックスにしろ、少々気を使わないといけない事は、それぞれあり。メリット、デメリットもそれぞれあるといえる。
まずは前回も書いた、主な役割別の3種類のレイヤーワクシング

[3種類のカテゴライズ(3レイヤー)]
  1. ベースワックス/ソールに事前に入れる下地になるワックス(主にパラフィンのホットワックス)
  2. トップワックス/滑走条件に合わせて入れるフッ素を含む滑走ワックス(主にホットワックス)
  3. オーバーワックス/滑走前に塗るフッ素を主原料とする滑走ワックス(主にレース前に添付?する持続性のほとんどないドライワックスをさす)

基本的に上記のワックス論?はアルペンレースの思考だが、アルペンレースが限定的なエリアのパフォーマンスにフォーカスしているのに対し、BCでは、滑走以外でも、下山時のラッセル滑走、移動、トラバースなど、スキーの滑走性が体力をも左右する場面が多く存在する。むしろBCの方が多様な滑走性が求められる。

以前ソールの話しで書いたように、愛機のソール素材がエクストリュードだったなら、シールにはワックスは邪魔なだけだから、滑りが足りない時に補充?出来るオーバーワックスのスタイルがベストだろう。
エクストリュードソールで滑走性を気にするなら、オーバーワックスのフッ素の含有率だけだ。
※実際は、コールドワックスのワクシングは、仕上げ方で大きく滑走性は変わる。

愛用のスキーが、レーシングモデル並みのシンタードベースならば、ホットワックスをしないのは、正直、もったいない。
仲間が、滑走準備にコルクを擦っている間に、ファーストトラック、頂きです!(笑)
そして、
トップワックスに高フッ素の物を使っていれば、オーバーワックス派にもひけをとる場面は少ないでしょう。
その上、ベースワックスで硬い物まで下地に使用していれば、新雪時の滑走性も、ひと際です。
春先などは、汚れもつき難いので、仲間が無駄に体力を消耗する所で、スイスイ行けます(笑)

とは言え、新雪時(ドライパウダー)の滑走性は、同じ板で同じ雪は中々経験出来ません。
比較も難しく、技術とスキーの形状の影響の方が大きいですから、ワックスの正解は解りにくいです。

それでも、パウダーをよく滑る方なら気になっている方も多いかと思いますが、同じようなドライパウダーでも、気温の低い時、意外にスキーが渋る感じの時があります。
気温も低く、絶え間なく雪が降り続いている時など顕著です。

素人の浅はかなイメージではありますが・・・おそらくアレは、雪の結晶が崩れる間もなく、降り続けるため雪の結晶が刺さる?のだと思うのです。
雪の結晶は、小さく多くの空気を含んでいるので柔らかいイメージですが、小さな雪の結晶とはいえ、氷ですから、ソールとの接触面に、無数の氷の針?が刺さるようなイメージではないかと思うのです。
少し、時間の経った新雪は、手つかずでも僅かな温度変化、風などにより、降りたて程は鋭利な状態ではない為か、さほど、渋る感じを受ける事はありません。

年に何回もあるような場面ではないのですが、雪は一期一会、いつでも何処でも、イメージ通り滑るには
やはり
  • ソールを硬くする、温度域の低い物までワックスを入れる。(ベースワックス:ブルー/グリーン/エメラルド等)
  • 複数の温度帯を常に入れておく。(ベースワックス:イエロー~グリーン)
  • 滑る前日にはフッ素含有の滑走ワックスを入れる。(トップワックス:レッド以上)
  • グラファイトワックスでグラファイトは補充しておく。※グラファイトソールのグラファイトは徐々に抜けます。補充が必要です。

最も重要なのは・・・ソールを奇麗にしておく事
しっかりとスクレイピングする。(ワックスを残さない)
  • 霧吹きで水をかけしっかりブラッシングする。(帯電、ストラクチャー内のワックスの除去)
  • フィニッシュクロス等よりも、硬く絞ったウエスでサイドウォールまで良く拭く。
(ゲレンデスキーは、刷毛でワックス粉を払う程度でも良いが、BCスキーはシールにダーメージが残るので完全に除去する。)
出来れば、シールで登る前に、移動でも良いので一滑りしてからシールを貼れると良い。
滑走時も、シールを貼っての登坂においても、ソールはキレイに磨いておく事が必須。

汚れ、毛羽立ち、ワックスが残っていれば、滑走性もシールの粘着性も悪くなり
ホットワックスでも、コールドワックスでもしっかりとした、スクレイピング、ブラッシングが重要で、オーバーワックスの使用時は、パウダー、ブロック、リキッドなど、タイプに限らずレース同様に、最後に乾いたタオルなどで擦り込み完全に密着させるのが望ましい。
逆にたっぷり塗り付けた状態は、ワックスが浮いている状態で、滑走性も落ちるうえ、物理的な抵抗が増える。
※オーバーワックスは、その性質上浸透する事はほとんどなく、ソールの表面に皮膜を作るため、皮膜は薄く均一に塗られる事が望ましい。厚く、沢山添付しても、理想の皮膜の形成にはいたらない。逆にブロックなどの厚塗りはソールの平滑度を妨げ、物理的な抵抗を増やす事になり、汚れも拾い易く、剥がれ易くもなるので、厚く塗る事での持続性はまったく期待出来ない。
ソールの硬度と平滑度は滑走性に大きく左右し、登坂中のシールの剥がれ、ソールにグルーが残るなどの無用なシールトラブルも防ぎます。

シールも、グルーのタイプで様々ですが、基本的には平滑度の高いソールで、「粘着」というよりはシールとソールの間の空気が入らないように「密着」させる事で剥がれにくくなります。
コレは僕がCT40を使っているからというだけでなく、GeckoでもG3のようないわゆるグルータイプでも同様で、グルー面も時折アイロンで平らにしてあげると密着し易くなります。
同時に、ソールとグルー面のコンディションが良いと、剥がした際もグルーが残る事無く、互いの滑走性、密着性を妨げません。
以上、素人の思い込みワクシングでした・・・全て僅かな経験とフィーリングによる記載ですので、参考になさる場合は自己責任でお願い致します(笑)


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