2015/02/18

ワックス考[硬いワックス]

在庫の一部
手前のHOLMENKOLグリーン
SWIXブルーは、ボチボチ硬い方のWAX
また、ニッチな話し
「硬いワックス」と言っても「何?」という話しですが・・・

ワックス(パラフィン)には硬度差があり、パラフィンを主原料にする、スキーワックスにおいては、多くのメーカーがイエロー、レッド、グリーン等の着色をして硬度表記?使用温度?溶解温度等を表記しています。

これまでも、ワックス、ワクシングについては勝手な持論を書き綴ってきたが、今回は特に硬いワックス。カラー表記で言えば、ブルーやグリーンのワックスの話し。
※各社着色料で色分けしており、大体イエローからグリーンまでを3~6段階位で分けているが、同じカラー、同じ対応温度でも、パラフィンの硬度という点では異なる場合が多い。





参考までに、硬いとされるワックスでメジャーなのは・・・
  • マツモトワックス:ANT BB(アンチベースバーン?)※白色
  • SWIX:グリーン
  • ガリウム:グリーン
  • アールゼロ:エメラルド
その他、ベースバーン予防用のワックスとして
コールドパウダーなる粉末状の専用ワックスなどもあるが、基本的にベースを硬くすると行った場合、低温用(高硬度)のパラフィンをベースとして入れていく他無い。よって硬度の高い、フッ素等の入らないグリーン/ブルーのパラフィンがメインになる。

ラインナップ的に硬めのメーカー、柔らかめのメーカーが存在するため、マニアの中では、上記のメーカーのグリーン/ブルーが「特に硬い」という認識なのだろう。
ただ共通しているのは
どんなにフッ素や新素材を添加しようとも、ソールの硬度は、本々のソールの硬度とパラフィンの硬度に左右される。

硬いパラフィンを入れる(ワクシングする)理由は2つ
  • ソールの保護
  • 滑走性

今までは、ソールの保護の意味合いで、エッジ際だけ硬いワックスを使用するなど、保護を主体とした使われ方だったが、最近はソールを硬く仕上げる事が滑走性に繋がる事が認識されてきたのか、温度帯によってはコールドパウダー等のベースフィニッシュもカタログに掲載されている。

・硬度の高い(硬い)パラフィンを入れる事で、ソールの表面硬度が上がる。
・硬いワックスを浸透、スクレイピングする事で「ケバ」が取れ、表面が平滑度が高まる。
と言われている。

1つ目の硬度は、単純にパラフィンの硬度が高い物程、ソールの表面硬度は上がるはず。
2つ目の「ケバ取り」については諸説あるが、硬度の高いワックスほど、ソールの光沢は増すのは確かだ。
実際、ケバが取れているのか?と言うと電子顕微鏡でもなければ解らないので、確かな事は言えないが、ワクシングとスクレイピングを繰り返す事で、ソールの表面が整って行くのは実感としてある。
コレが柔らかいワックスでは、同様の回数と手順をしても同じような仕上りにはなりにくい。※というか、ならない。
某大手ワックスメーカーのカタログには昔は、サンディングしたソールとワクシング後のソール写真が載っていたが、今じゃそんな物を載せるメーカーも希少だ。
各社、持論に基づいた図解に留まっている。

コレまでの僅かな経験則で言うと、やはり硬いワックスの方が、表面の仕上りや、光沢が良い。
その分、ワクシングはしにくいし、剥がしにくい。
硬いワックスは、REDあたりと違って、スクレイピングしたカスが、鉋屑のようにまとまる事も無く、どちらかと言うと、粉の状態で削れる。
寒い部屋で、十分に浸透していない硬いワックスが、バリバリと剥離する様では、アイロンの温度が不十分で、結果、浸透も不十分。
ケバも整わず、浸透も見込めないように思う。
その上、硬いワックスは溶解温度も高いものが多く、ソールを焼いてしまうリスクも高い。
その為、スキーを十分に温める事が重要になるのだが、正直、シーズン中にこれらの硬いワックスを十分に浸透させる事は難しい。
暖かい暖房の効いた環境で出来る方は別ですが・・・それでも、夏場のワクシングの様には行かない・・・・
硬いワックスはそれだけ、浸透、定着が難しい。
逆にイエローやユニバーサル的なワックスというのは手軽ですが、滑走性、保護の意味では、かなり劣ります。
以前、シーズンをイエローだけで過ごしたことがありますが、どんなにマメにイエローを入れても、ソールを守る事は出来ず、ベースバーンが出ました。
滑走性においても同様の事がいえます。

個人的にはソレ以来、硬度の高いものまでレイヤーで入れる必要性をおぼえました。

如何に、硬いワックスを十分に入れておくか、硬いソールに仕上げるか?
その為の下地としてイエロー等の柔らかいワックスが必要なのだと・・・・

その考えは、今も変わらないのですが、ベースの作り方については最近少し思う所がありまして・・・
長くなりましたので、また・・・







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